若者の資産運用は、投資経験者が4人に1人! 意識調査でわかったこと【その2】

マネーケア

前回は、KDDIの「ワカモノの資産運用に関する調査2018」のデータをもとに「若者の資産運用は、貯蓄よりも投資!」をお伝えしました。連載【その2】の今回は、同じデータから20代から30代の資産運用や投資体験の実態、投資に関する意識を中心に解説します。

若者の投資経験者は24.9%

KDDIの調査によれば、「資産運用でお金を増やしたいと思う」と53.9%と半数以上が答えています。
しかし、実際に投資経験があるかについて調べてみると、投資経験がある人は24.9%で若者の4人に1人という結果が出ています。男女別にみると、男性では34.4%、女性では15.4%となりました。

長期的な資産形成に適したiDeCo(個人型確定拠出年金)や、つみたてNISAなどの制度が開始されているにも関わらず、関心はあっても利用が進んでいないようです。
現実と理想にはズレが生じているのが分かります。

資産運用で活用したいもの

さらに投資経験がある249人に複数回答方式で、資産運用で活用したいものや、これからも継続的に活用したいものを聞いたところ、1位が「株式投資」(57.0%)、2位「定期預金・貯金」(47.4%)、3位「投資信託」(44.6%)と答えています。

投資の仕方を学びたいものとしては、株式投資(46.6%)、投資信託(28.1%)、FX(外国為替証拠金取引)の順になっています。

また、税制のメリットがあるiDeCo(個人型確定拠出年金)についても、投資経験者の約2 割が資産運用で活用したい、活用の仕方を学びたいと考えていることが分かりました。制度の内容についても全体の約半数(51.9%)の人が知っているという結果が出ています。

FPが考える理想の資産運用

いまや資産運用は、一部のお金持ちだけの話ではありません。このKDDIの調査でも「老後は公的年金のみでは生活できないと思う」と女性の9割超の人が回答しており、自助努力が必要だと感じています。
だからといって、資産運用に手間と時間をかけている暇は、忙しいビジネスパーソンであればなかなか作れないでしょう。
そこで、手間をかけずに効率的に資産運用ができるものの一つとして、iDeCo(個人型確定拠出年金)をオススメします。

iDeCOは老後資金を自分でつくるためのおトクな制度です。60歳までに毎月一定の掛金をコツコツ積み立てながら運用していきます。
このiDeCoには税金を節約できるというメリットがあります。掛金が所得から控除され、所得税や住民税が軽減されるほか、運用益は非課税、受取時には税制の優遇を受けられます。

まずは、投資経験がゼロという方は、iDeCoを入り口に投資信託を体験して、これをベースに、株式や不動産投資などの資産運用へと発展させてはいかがでしょうか。
預貯金の利率は依然と低い水準のままで、金融機関に預けていてもほとんど増えることはありません。今後デフレを脱却し、インフレ(物価が上がっていくこと)が進んでくると、預貯金だけでは物価の上昇率についていけず、実質的に資産が目減りしてきます。

このような状況から考えると、投資は「自分には関係ない」と思っている人でも、これからの資産運用に投資は欠かせなくなってくるでしょう。なぜなら、資産を預貯金だけにしておくと、資産が目減りして損をすることになるからです。
そうなれば、投資や資産運用のスキルは当然必要になってきます。

まとめ

かつては、高収入や高学歴を結婚相手に求める時代がありました。
この「ワカモノの資産運用に関する調査2018」によれば、パートナー(恋人・配偶者)がどのようなお金の使い方が上手だったら、ステキだ・頼もしいと思うかを聞いたところ、貯蓄上手が48.0%、投資上手が27.9%と上位を占めました。
ひょっとしたら将来は、「投資や資産運用が上手できる人」がパートナーの条件になる日がやってくるかもしれませんね。

池田 幸代

株式会社ブリエ 代表取締役 証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不...

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