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19/07/15

相続・税金・年金

40年ぶりに相続の法律大改正! 改正点をわかりやすく解説

平均寿命が伸び続け、人生100年時代と言われるようになりました。内閣府「平成30年版高齢社会白書」によれば、2017年10月時点での高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)は27.7%。老人が増えるだけではなく、高齢者になっても親の相続が終わっていない「老老相続」も多くなっています。そういった社会情勢の変化に対応して、相続制度が大きく変わりました。

遺産をめぐる相続の現実

多くの人にとって相続はいつか来るものです。そして、ときには相続を巡るトラブル、「争族」に発展することもあります。

「相続なんて、うちは資産家ではないから遺産も少ないし、ましてや争族なんて関係ない」と思っていると大間違い!
遺産分割事件(家庭裁判所が調停や審判をした事件)の約7割は5000万円以下の遺産相続で起きています。

裁判所「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く)−遺産の内容別遺産の価額別−全家庭裁判所」(平成28年)のデータをもとに筆者が作成

また、家族が少ないから話し合いで解決できると考える人も多いでしょうが、争いの半分は相続人3人以下で起きています。金額や人が少ないからといって、争いが起きないというわけではないのです。

さらに、認知症が始まれば遺産分割協議ができなくなる、という現実もあります。介護が必要になる要因の第1位は認知症(厚生労働省「国民生活基礎調査」平成28年)です。元気なうちに自分の意思表示をしておくことと、相続の手続きをスムーズ行う準備が必要になってきました。

安心老後、もめない相続のための新しい制度

改正された民法相続法では、新しい制度ができ、大幅な見直しが行われています。 改正法の注目点は次のとおりです。

1. 配偶者の「居住権」を保護 (2020年4月1日施行)
2. 婚姻期間が20年以上の自宅贈与は遺産分割から除外
3. 遺産分割前の払戻し制度の創設
4. 遺産の使い込みに対し、分割を公平にする見直し
5. 特別の寄与の制度を創設
6. 自筆証書遺言の作成がより手軽に保管も安心に
  (法務局での遺言書の保管制度は2020年7月10日施行)

このうち、いくつかをピックアップしてお伝えします。

葬式代の確保が簡単に。故人の預金が引き出せる「遺産分割前の払戻し制度」

お葬式や生活資金を確保するために、あらかじめその人のお金を引き出しておく、という話をよく耳にしていました。亡くなると故人の銀行口座が凍結されて、遺産分割が終わるまでは預貯金の引き出しができなかったためです。そこで、一定額については家庭裁判所の判断を待たずに、単独で払戻しができるようになりました。

改正後は、相続開始時の預貯金の額(口座基準)のうち、法定相続分の3分の1の額であれば、相続人単独で払戻しができます。ただし、1つの金融機関から払戻しが受けられるのは150万円までです。

この他にも仮払いの必要性がある場合は、預貯金に限って、他の相続人の利益を害しない場合には、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようになりました。

相続人以外の貢献や介護が報われる「特別の寄与」

誰もがずっと元気でいられればよいのですが、そうとも限りません。義理の父や母を介護しても相続では報われない……。そんな事例を解決する一つの方法が「特別の寄与」の制度です。寄与とは、貢献度に応じて請求できる相続分のことをいいます。

たとえば、長男の嫁などは相続人ではないので、どんなにがんばっても相続のテーブルにつくことはできませんでした。
今回の改正によって、亡くなった人の相続人ではない人が無償で療養看護や介護等を行った場合には、金銭を請求することができるようになりました。

しかし、特別の寄与料が必ず認められるわけではありません。寄与料を請求するためには、証拠を示す必要があります。たとえば、介護事業者との連絡ノートや支出した交通費、実費などの領収書などの保管をしておくことが大切です。

財産目録がパソコンで作れる!「自筆証書遺言」の方式の緩和

争族を予防するには遺言書が有効です。しかし遺言書を作成するにも、公正証書遺言はお金がかかるし、手書きの自筆証書遺言は全文を手書きで自書する必要がありました。ですから、財産が多い場合には、財産目録も全部手書きとなると相当な負担があります。

今回の改正では財産目録をパソコンで作ることができるうえ、不動産登記事項証明書や通帳のコピーの添付による財産目録の作成も認められるようになりました。ただし、偽造を防止するために、財産目録の各ページには署名押印することが必要です。

さらに、法務局に自筆証書遺言を預けられる制度が2020年7月10日から施行されます。法務局に遺言書を預けると、遺言書の形式をチェックし、不備を指摘してもらえるようになっています。この制度により、第三者による内容の改ざんのおそれがないほか、家庭裁判所の検認が不要になるので、すぐに相続手続きができるというメリットもあります。

まとめ

遺産相続は、遺言書がある場合には遺言書の内容が優先します。遺言書がない場合には民法が定めた法定相続分で分けたり、話し合いで分割したりします。
法定相続分で分けて自宅を配偶者がもらった場合には、ある程度の預貯金がなければ生活に困る事態が起きてしまいます。今回の相続法の改正は、そうした高齢の残された配偶者が安心して生活できるように保護されることになりました。

また、相続のトラブルを減らしたり、認知症で遺産分割協議ができないことを防いだりするためにも遺言書を作成しやすくする内容になっています。
この相続法の改正で、親族でもめない相続へ変わることを期待します。

池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®

証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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